決明子（けつめいし）

「決明子（けつめいし）の基源」
科名：マメ科/属名：カワラケツメイ属
和名：夷草（えびすぐさ）/生薬名：決明子（ケツメイシ）/学名：Cassia obtusifolia Linn.

「決明子（けつめいし）の出典」 神農本草経　上品
「決明子（けつめいし）の別名」 決明（ケツメイ）、草決明（ソウケツメイ）、夜関門（ヤカンモン）、羊明、千里光、馬蹄子、仮緑豆、羊角豆、羊尾豆、猪骨明、芹決、馬蹄決明など
「決明子（けつめいし）の性味」 甘、苦、鹹/微寒
「決明子（けつめいし）の帰経」 肝、胆、腎

「決明子（けつめいし）の成分」
アントラキノン類、ナフタリン誘導体、アントラン誘導体を含む。
「決明子（けつめいし）の効能」
消炎、緩下、整腸、利尿、降圧、明目。
「決明子（けつめいし）の薬理作用」
清肝明目、潤腸通便、去風熱。
消炎、瀉下作用、明目作用、降圧作用、水浸液では皮膚真菌を抑制する作用がある
「決明子（けつめいし）の応用」
眼科によく用いる。下痢・低血圧などの禁忌症状がなければ、眼球の内部・外部のどちらの炎症にも、治療する方剤に決明子を加えると効果がある。ただし、現在は主に眼球外部の急性炎症に使用している。
1.寒熱あるいは肝経風熱による目の充血・疼痛・羞明・流涙などの風熱の症状（急性結膜炎・流行性角結膜炎など）に用いる。
決明子だけで、あるいは他の清熱、明目の薬物を配合して使用する。
寒熱には夏枯草、山梔子を配合し、風熱には桑葉、菊花などを配合する。
2.肝陽上亢による高血圧症の頭痛に、決明子15gを用いる。
3.熱結便秘あるいは腸燥便秘（目の充血・口臭・尿が濃いなどの熱象をともなうときに適している）に用いる。
その場合は決明子だけを水煎して服用するか、あるいは粉末にして沖服する。
このほか古人は経験的に、決明子は清熱するとともに補益性もあって（含有するビタミンA類に関係すると考えられる）腎陰を滋補するとしている。それゆえ、腎陰虚による頭痛・視力障害（眼球内部の疾患による）にも用いるが、枸杞子・菊花などを配合する必要がある。
「決明子（けつめいし）の注意」
下痢・低血圧には禁忌である。
「決明子（けつめいし）の処方例」
決明子散、決明丸など。
「決明子（けつめいし）の用法・用量」
散剤、丸剤、煎剤。1日常用量は９～１５グラム。
「決明子（けつめいし）の産地」
中国。